Lesstep
EU サイバーレジリエンス法・2026年10月28日に条文で確認

EU サイバーレジリエンス法(CRA)の報告義務:日本の小さなソフト会社の最小の手順

EU でソフトを売っていると、2026年9月11日から、「実際に悪用された脆弱性」か「製品の安全に関わる重大な事故」に気づいたら 24時間以内に EU の窓口へ第一報を出す義務があります。前から売っている製品も対象です。Lesstep は JetBrains Marketplace で IDE のプラグインを売る日本の小さな作り手で、自分のためにこの手順を作りました。その手順と雛形を、そのまま載せます。

法律の助言ではありません。Lesstep が条文と欧州委員会の手引きを読んで、自分の製品に当てはめた記録です。条文の番号と期限は2026年10月28日に確かめました。誤りのご指摘は support@lesstep.com へ。

当たるかどうか(3つの問い)

報告の義務(第14条)は2026年9月11日から(第71条2項)で、2027年12月より前に出した製品にも掛かります(第69条3項)。ほかの義務の多くは2027年12月11日からです。

報告が要るのは2つだけ

期限(気づいた時から数える)

悪用された脆弱性重大な事故
24時間早期警告(製品を出している EU の国)早期警告(不正・悪意の疑いがあるか)
72時間通知(中身・悪用のされ方・手当て・利用者がすること)通知(中身・最初の見立て・手当て)
最終報告直し(か手当て)が出てから14日以内72時間の通知から1か月以内

あわせて、影響を受ける利用者に、脆弱性か事故と、取れる手当てを知らせます。できれば機械で読める形で(第14条8項)。

届け先

罰金と小さい会社

雛形1:起きた時の手順

  1. 気づいた時刻を記録する。24時間はここから数える。報告が届いたら、まず悪用の証拠があるかを聞き返す。
  2. 1時間以内に、上の2つのどちらかに当たるかを決める。どちらでもなければ、ふつうに直した版を出して終わり。
  3. 当たる時は、早期警告の下書きを作り、出す人(EU Login を持つ人)に渡す。深い調べを待たずに出す。
  4. 直した版を最優先で出す。悪い版が出回った時は、配布のアカウントの合言葉と鍵を替え、マーケットプレイスに止めてもらう。
  5. 72時間以内に通知を出す。
  6. 利用者に知らせる:自分のサイトのセキュリティのページにお知らせを1件、直した版の変更点に1行。
  7. 最終報告を出す(脆弱性は直しから14日以内、事故は通知から1か月以内)。

雛形2:早期警告の下書きに用意しておく物

ENISA の FAQ によると、24時間の早期警告では要らず、72時間の通知で必須になる欄があります(欄ごとの必須は窓口の用語集にあります)。早期警告の下書きには、次の物を先に用意しておきます。

雛形3:連絡の受け口(security.txt)

悪用に早く気づけるよう、脆弱性の連絡先をサイトに置きます。/.well-known/security.txt は、RFC 9116 で決まっている形です。Lesstep のもの:

Contact: mailto:support@lesstep.com
Expires: 2027-04-25T00:00:00Z
Preferred-Languages: en, ja
Canonical: https://lesstep.com/.well-known/security.txt
Policy: https://lesstep.com/security/

Expires は必須で、1年より先にしないことが勧められています。Lesstep はサイトを出すたびに180日先へ書き直す仕組みにしました。日付を覚えておく人が要りません。Policy の先がセキュリティのページです(知らせ方・書いてほしいこと・お知らせの一覧)。

2027年12月11日に増える物(洗い出しだけ)

マーケットプレイスは輸入者か販売者として CE マークなどを確かめる立場になるので、それまでに出品の決まりへ入れてくると見ています。

出典

Lesstep は JetBrains IDE のプラグイン(Azure DevOps Pull Requests、Pull Request Inbox for Bitbucket ほか)を作っています。このページは JetBrains・欧州委員会・ENISA のいずれとも関係がありません。